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第二創業

新年を稲穂で初めて迎えました。振り返ってみると、選ぶべくしてこの道を選んできたように思います。当初は、沖縄を変えるために協力してくれと言われて、応援するつもりで関わり始めたのでした。次第に応援から当事者になった気がしていましたが、本当の意味の当事者ではなく、他人任せであったので、お金や信用などを失うことになりました。

でも、自分では捨てられないものを捨てる手伝いを他人がしてくれたようにも思います。お金や人脈、仕組みといったものが、社会を変えていくには必要だと思い込んでいました。実はそれが幻想だということを無くなって初めてわかったのです。お金は人を支配する良い手段です。自分でやるのが嫌なことを人にさせるのに、これほど効果的な手段はないでしょう。

お金を使って解決しようとすることは楽チンです。例えば、掃除をしたくなければ掃除屋さんにお金を払えばいいわけです。そこにはお互い相手がどのような人間であるか関係ないのです。嫌な人間であろうとなかろうと、金さえ払えばそれだけのことはやりますよと。

思いやりのある社会にしようと思ったら、お金で解決することは不可能なのです。お金は便利な道具ですが、人を傲慢にもしやすいです。私は幸いなことに、若くしてお金と時間を手にすることができ、またそれを失う経験もさせてもらったので、両方の気持ちが体験できたことはとても大きな財産だと今は感じています。

今、稲穂で一緒にやっているメンバーはお金がもらえるからという人は一人もいません。一番最初に、お前を手伝うよと言ってくれたウチナンチューは、お金は儲かるようになってからでいいよと手伝ってくれました。内地から来たむーさん、あきらさんも、稲穂に来たこともないのに話をしただけで来てくれました。

この場所を見たこともないのに参加してくれるとは本当に有難いことです。彼らは実際に来てみて稲穂が田舎すぎてビックリしてましたがw。こうした愛のある人が集まってきて一緒にやってくれているだけで私は幸せを感じます。かつて、セレブと言われマスコミに出てた時には感じなかった幸福感を感じるようになりました。お金や信用はあった方がもちろんやり易いのは事実です。でも、それがないと出来ないということではないのです。知恵や工夫は必要の中から生まれるものです。

創造していく喜びを味わえるのがベンチャーの醍醐味ですね。当時は、何でも当たり前だと思っていました。お金払っているのだから当たり前。何事もしてもらって当たり前と感謝を知らない人間でした。無意識でそんな自分を知っていたからこそ、愛が必要だと言っていたのでしょう。自分にないからこそ、それを求めたわけです。月並みですが、困って初めて有り難みがわかった馬鹿者は私です。

人は恐れという恐怖からお金を求めて安心しようとします。お金があれば安心という思考停止状態です。恐れは心が作り出すものです。心を見ないで、心が作り出した恐怖に振り回されているのが私たちです。目に見える制度や組織などを変えようとするよりは、目に見えない心を見ていきます。農業という自然と共に生きるあり方は多くのことを教えてくれています。人工物に囲まれて東京にいた時には全く見えていなかった世界が見えて面白いです。

「風の谷のナウシカ」より

ITの頃とは違う時間軸で世界を見ると、お金に対する恐れなんかより余程怖いものが見えてきます。またその一方で人の栄枯盛衰などあっという間ということにも。

今を大事に、目の前できることを精一杯するのが一番という結論に至っています。焦らずに、でも一生懸命やっていこうと思います。今年もよろしくお願い致します。